休み時間にはお友だちと楽しそうに話しているのに、授業になると黒板の文字を写すのが遅かったり、ノートが途中で止まってしまったりする子がいます。
 「うちの子、日本語で話すのは大丈夫なのに、勉強になると分かっていないみたい」──そんな声を聞くこともあります。
 実は、話す日本語勉強で使う日本語は、少しちがう力が必要なのです。


🌸 1.「話す日本語」と「勉強の日本語」はべつもの

 日常生活で使う日本語(たとえば「これ、ちょうだい」「あれ、いいね」など)は、短くてすぐ分かる言葉が多いです。
 一方で、授業の中では「まとめる」「理由を説明する」「比較する」など、ちょっとむずかしい言葉や長い文を使います。
 この**学ぶための日本語(学習言語)**は、日常会話とはちがう力が必要で、身につくまでに時間がかかります。


✏️ 2.板書を写すのは、じつはとてもむずかしい作業

 黒板を写すとき、子どもは
 1️⃣ 先生の話を聞く
 2️⃣ 黒板の文字を読む
 3️⃣ 内容を理解する
 4️⃣ ノートに書く
 ということを同時にしています。
 これが思っている以上に大変なのです。
 特に漢字の読み書きがまだ安定していない場合、黒板の内容を読むだけで時間がかかり、書くことまで手が回らなくなることもあります。


👀 3.「聞くより見るほうが分かりやすい」子もいる

 日本語が第二言語の子どもの中には、音で聞くよりも、絵や文字など視覚的な情報のほうが理解しやすい子もいます。
 先生の説明が長く続くと、言葉だけでは理解しきれず、板書を写すタイミングを逃してしまうこともあります。


🏫 4.先生や学校でできるサポート

 ・板書にふりがなや簡単な言葉をそえる
 ・板書を写す時間をゆっくりとる
 ・ノートを一緒に見て抜けている部分を補う
 ・授業後に板書の写真を見せる

 こうした小さな工夫で、子どもたちはぐんと安心し、自信をもって授業に取り組めるようになります。


🏠 5.家庭でできること

 「今日の授業でどんな言葉が出てきた?」と聞いてみたり、
 一緒に教科書を読んで、「この言葉はどんな意味かな?」と話したりするだけでもOKです。
 知らない言葉を一緒に調べたり、絵や例を使って説明してあげると、学ぶ日本語が少しずつ育っていきます。


💬 まとめ

 日本語でおしゃべりができても、授業の日本語はまた別の力。
 焦らず、少しずつステップアップできるように、学校と家庭がいっしょに支えていくことが大切です。
 「わかる」「できた!」という小さな成功が、子どもの自信につながります。